【アンケートの回答:田中編(第8回)】

環境NGO みらいじま 編集・出版担当

中谷紀子 様

 

アンケート収集作業、お疲れ様です。

ちょっと急いでいまして、最終発表で初めてお会いした以来の近況等、前書きできませんが打ち上げもしくは忘年会にて、また楽しくおしゃべりしたいです。

                                 田中真美子

 

お名前( 田中真美子 

 

Q1.御蔵島を訪れて、「これはぜひ人に教えたい!」と思った、とっておきの場所やモノ、生き物はありますか? あればその場所・モノ・生き物と、理由を書いてください。また、その場所で体験したことやエピソード、モノや生き物に出会って感じたことなどもあればぜひ教えてください。

 

  とっておきの場所:@かめりあ丸のBデッキ船尾の白い箱の上

・・腰かけて黄昏るのに便利。

   進行方向とは逆なので、船酔いする人は注意!

           A御蔵荘近くの駐車場の縁

・・ちょいとひとりで、宿から離れず海と空をみるのに便利。

   あくまで駐車場なので、車の邪魔にならないように

           B御蔵荘の湯船からみる夕日

            ・・・びばのんのんっ

 

  とっておきのモノ:@延泊(欠航3便)

・・不吉な響きですが、本質的なものだと思います。「観光旅行」 

が「環境体験」にかわる手助けにもなりました。

           Aイルカ協会後援の座談会

・・地元の人とふれあえる貴重な機会です。黒田さんの海の男っぷ

りが格好いい。

           B御蔵→八丈間でみた海にかかる虹・竹芝付近の積乱雲と稲光

・・欠航が重なったために早朝の便から乗船したとき、ほんの10  

分ほど主虹と副虹が空にかかりました。それから14時間後の東

京湾付近で、積乱雲の中の稲光が宇宙的にきれい。

 

  とっておきの生物:@参加メンバーと島民のみなさま

・・ひとの縁は本当に不思議です。

           Aやまやへ下る途中の深紅のハイビスカス

           B岩盤を覆う蔦の紋様と水をふくんだ地衣類

 

 

Q2.もののけの森を訪れた方にお伺いします。もののけの森で最も印象に残ったことは何ですか? もののけの森で考えたこと、広瀬さんの話で印象に残ったことなど、自由に書いてくださ

い。

 

  →2回目のドルフィンスイム希望者がいたのでそちらに参加しました。

 

 

Q3.ドルフィンスイミングについてお伺いします。

1.              船に乗って目的地まで行く時は、どんな気分でしたか?

  去年の初参加時には波も荒く、気温も低く、イルカに会えるかどうかばかりを心配していました。その点、8月は海もとてもコンディションがよさそうだったので、イルカの心配よりずっとクルージングを楽しんでいました。御蔵の全景と潮の匂いと波間の虹と地平線。

 

2.    実際に海の中に潜ってイルカと出会った時のことを教えてください。

@        真正面からむかってくるイルカと目が合う瞬間は最高です

A        鳴きまねをしてリズムを真似あうと楽しいです

B        水面で呼吸を合わせてもぐると一緒に泳いでくれます

C        つられて笑うとマスククリアをするはめになります

D        絡み合いはすごい勢いでした(船上から)

 

3.    ドルフィンスイミングを終えて、どのようなことを感じましたか?

@        ルールの大切さ

    子育てのシーズンは、母親(ベビーシッター)に寄り添う子供がとても愛らしいです。不思議なのはそれが間近でみていられること。遊びモードのイルカ達よりは遠巻きですが、そうして野生のイルカが人間を恐れることも人間に媚びることもなく、敵でも主人でもなく自分も動物としてうけいれられていることが嬉しい。

 

A        みつめる・みまもる

    おなじ目をしたイルカでした。ゆっくりと呼吸をあわせて、旋回するようにいっしょに過ごしました。ちょっと年をとったような白っぽい身体にはキズがたくさんあって、口元をゆるめると目が出会って。さっきも会いにきてくれた子だと気づいたときが、今回の旅で一番しあわせな瞬間でした。みつめること・みまもること、ほんとうに何かをみつめられることは難しくて、それができたら、みまもることもできるのですかね。

 

B        個人的なスキル

    座談会で教えてもらったこと。イルカと遊ぶコツは「深く潜ること」「長く潜ること」。イルカは初心者や子供相手にはちゃんと手加減して泳いでくれますが、やっぱりもっともっと練習したいです。

 

C        おかえし

    「もっと遊んで欲しいな」そう船上でおもってふと、「欲しい」といった自分の心に気づく。「もっと楽しみたい」「もっと近くで泳ぎたい」「もっと受け入れて欲しい」もっと、もっと、もっと。

    それはやっぱり礼儀知らずで、我欲で、だけど消すのじゃなくて変えればいいのだと思います。どうやってお返しができるのか、できなくても考えることが大切。見失いやすくていつも、私は何度も迷いますけど。

 

 

Q4.川田の滝(沢)に行かれた方につきまして、感じたこと等を自由にお書きください。

@        まるい水

    味です。尖っていなくて混じっていなくて、そんな味がしますね。

A        密な空気

    メガネが登るほどに湿気でくもって、舌にふれる空気が濡れてきます。

B        ふかい苔

    拳ひとつ、ふかりと沈みました。川底の石も突きでた岩をも、とりまくもの。

 

 

Q5.火力発電所、ゴミ捨て場、空き缶リサイクル施設等に行かれた方につきましては、感じたこと等を自由にお書きください。

 

  正直、感覚がまだまだ「観光気分」で、上っ面しか追えなかったことが恥ずかしいです。こうした場所には生活や文化や歴史が埋まっていたり、都会の生活からはしめ出されてしまった「人間の暮らし」の本性があるのに。ADとして参加するには、あまりにも予習が足りませんでした。反省は次回に、もって帰ってきた空のままのゴミ袋にはもっと別のものを。

 

 

Q6. オオミズナギ鳥観察、天体観測、黒崎高尾の展望台、御蔵山縦走等について、経験した方は感じたこと等を自由にお書きください。

@        オオミズナギドリ

    人間みたいな怪獣みたいなおしゃべりの鳴き声が飛交う。初めて間近でみたオオミズナギドリは人間を警戒することも少なく、アリスのドードーやオーストラリアのキウイをおもって心配にもなった。オオミズナギドリと海の魚とイルカと御蔵島の環がつながった。

 

A        星空

  こんなに綺麗な天の川を見たのは二度目。雲ひとつない星空はひかりのビーズをひっくり返したみたいだ。星座の知識をつけていけばよかったと少し後悔する。御蔵島の星空というより、東京の空にもおんなじ光はあって、私達は自分で自分に目隠ししてしまって、星をこんなところまで探しに来たのかもしれないと感じた。

 

B        なかよし広場

    色々なきもちとなかよしになれます。でももっと地元の人がいたらいいな。

 

 

Q6.御蔵島、または御蔵島環境教育プログラムについて、感じたことを自由に書いてください。

 

  「はじめまして」から「またね」まで二日。船から船まで30時間。こんなに時間は密なものなのだと毎回気づきます。今回はたまたま二日間延拍でしたから、もっと多くの時間を過ごしたことになりますが、そのぶん出会えた人や出来事も二倍でした。ADとは今名ばかり、だからこそまた、次はああしようこうしようと色々つきません。そうして自分が学ぶのもまた個人的なプログラムの一歩です。

  島の人にとっての御蔵島・観光客、私達にとっての御蔵島・島の人々、イルカにとってオオミズナギドリにとってスダジイにとってのそれらは幾重にも幾重にもあって、透明で不透明で色も形も変わるもので、環境が守るものではなくて守ってくれているものであることや、人間には人間の自然には自然の利害やルールがあることや、教えることと学ぶこと、教わること伝えることの難しさを力にする勉強です。

  御蔵島のみんなと出会ったメンバーに「今度はこっちへ来てよ、うちもすごいよ」っていえることが、私のゴールかもしれないです。清濁あわせのむこと、妥協じゃなしに摯さにしたい。

 

 

Q7.今回、書いていただいた内容をパンフレット、HPに掲載させていただいてもよろしいですか?

  YES;私のコトバはかなり不親切なので、抜粋で利用されるほうがいいように思います。もしもお使いの際は、どのように変えていただいても抜粋されても構いません。

Q8.でYESと答えた方にお伺いします。実名を掲載させていただいてもよろしいですか?

 YES:文責は負います

 

Q9.危険を感じたこと(場所)や怖かったことはありますか。また怪我や病気をされた方はいますか。

  川田の滝がやはり少し滑りましたが、3点確保の上で、すべる苔と滑り止めになる苔を見分けられれば大丈夫だと思います。

 

Q10.プログラムの改善点や希望を自由にお書きください。

  <ADの経験から>

・申し込みが複雑なときは、竹芝桟橋でのチケット購入はなるべく早くはじめること

・延拍の際の代替手段や順延航路を明確にしておくこと

・二日以上にわたって延拍の可能性があるときのチケット切替、チケットの購入方法や値段が違う場合は、そのままだと乗船室のクラスごとにまとめられてしまうこともあるので、個人ごとに切替をしてもらうとチャーター便などへの変更・払戻が楽になる

・各オプションや懇親会・レンタルなどの明細もかねてAD側の会計表と対の領収書フォーマットをつくり、集金をスムーズにすること

  <思いつき(とっても個人的なものです)>

・みらいじまログ・・・パンフレットにある自由欄には、罫線がないほうがいいように思います。白波の度合い・潮や風の向きなどの天候ログ、植物の葉っぱや動物をかくいきものログ、島の生活や歴史をかく島ログ、見つけた星座や出会ったイルカ・お気に入りの場所をかく発見ログ、日記や仲間の連絡先をかくマイログ。どれをとってもやっぱり、自分の手で書き込むまではぽっかり不安になるくらい真っ白な空間がひとつ、あったら素敵だなと思います。

・雨プロ(絵描き道具)・・・御蔵荘の壁の絵を見て、単純に絵筆が握りたくなりました。

・ゴミの扱い・・・分別と少なくする努力をしたいです。自分達が30時間で出すゴミが、どれくらいになってしまって、どう努力すればどれくらいまで減るのか試したい。

・川田の滝の調査・・・大学の水質調査ではよく、低価格でBOD・COD・リンやpHなどを計測する小さなチューブ状の試験剤があって利用しています。御蔵の水はどこもきれいでしょうが、こうした指標でないにしろ、なにか環境指標(植物でも水質でも土壌でもなんでも)を追跡することはできるかと思います。精度ではなく、もとめられるのは姿勢で、もしかしていつか何かの役に立つかもしれませんし。御蔵が綺麗でも降る雨のpHは重要でしょうし、夏だけとはいえ頻繁に訪れることができるのは強みです。

追伸: 拙文ですが、お役に立てれば嬉しい限りです。